カルチャー備忘録

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【美術展ログ #4】アンリ・ルソー『第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神』国立近代美術館「MOMATコレクション」

こんにちは。美術展ログ、第4回です。

今回は、アンリ・ルソー『第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神を紹介します。本作は、1905年から1906年にかけて制作されました。

アンデパンダン展とは、誰もが出品できる無審査の展覧会のことです。正規の美術教育を受けていないルソーにとって、アンデパンダン展は大切な活動の場でした。本作では、自由の女神が青空に舞う様子が描かれています。これは、アンデパンダン展の「自由さ」を表したものです。絵画下方、ライオンの右側に2人の人物が握手をしているのが見えます。左側がアンデパンダン会長で、右側がルソーです。

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本作を描いたアンリ・ルソーに関して、簡単に説明します。アンリ・ルソー(1844-1910)は、フランス素朴派の画家です。素朴派(naive art)とは、下手さ・稚拙さが魅力的である絵画のことを指します。彼は、パリ市の税関の職員をしており、仕事の余暇に絵を描く「日曜画家」だったことから、ドゥアニエ(税関史)ルソーの通称で知られています。生前は、ロートレックゴーギャンピカソアポリネールなどの少数の理解者によってのみ、評価されました。日本国内では、藤田嗣治などに対して、影響を与えました。「日曜画家」ではありましたが、その芸術性・完成度が高く、キュビスムシュルレアリスムに影響を与えたと言われています。

ブログを読んでいただいて、ありがとうございます。今回は、国立近代美術館に展示されている、アンリ・ルソーの『第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神』を紹介させていただきました。少しでも役に立った・勉強になったという方がいれば、いいね・コメントなどお待ちしております。ではまた。